20150901

短い夏


少し遅めのお盆休みをもらって実家に帰る。
葉山に帰って6日間Bluemoonで働く。

昨年、そして今年、大切な人を失ったBluemoon。
今年のOpenにはいろんな思いがそれぞれにあった。

元気に働くこと。
ただそこに居ること。
私にはそれしかできないけれど、
こんな時こそ元気に働いて来なさいと旦那さんに背中を押され、いつも通りにいつものBluemoonに私は居た。
みんながそこに居て、海があって空があった。

目の前に広がる大きな大きな海は大切な人たちが帰って行った海だった。

その海にぷかーっと浮かんで大きな空を見ていたら、なんだか涙も笑顔も一つになって溢れた。

大きいなあ…。
帰っていった人の大きさを感じて、海になったんだなあ…と実感。
ここにいるとみんなが近くにいることを感じることができた。とても安心した。



去年Bluemoonを終えて私は大阪に来た。こっちに来て1年。
結婚生活というものは新しい自分との出会いであった。
新しい生活はいろんな新しい感情や、いろんな発見をもたらした。
知らない自分がたくさんいた。
生活も自分自身のため、そして自分の鏡のような分身のような相手のため、時間の使い方も変わり今までとは違う忙しさが生まれた。
その間にも身の周りで悲しいこともたくさんあった。
言葉による表現、文章にすることはどんどん難しくなっていった。
心で育てかみ締める喜びや悲しみ、言葉にせずにじっくりと秘める大切な思いが今、たくさんある。

人ひとりひとりにそんないろんな思いがあって今を生きている。そんな人の見えない思いも今だからわかることがたくさんある。


Bluemoonに行くと私はいつもねじり鉢巻をする。キッチンにいると単純に汗をかくし、髪の毛をピシッとして毛が入らないようにするためであったが、
いつしかみんながトレードマークといってくれるようになった。

あの場所に立ち、ねじり鉢巻をしてみんなとただ冗談言い合いながら大きい声を出しながら働いていたら…なんだかじわじわじわじわ忘れかけていた自分やご無沙汰していた自分が出てきた。

ああ、自分はこんな声を出して、こんな風に笑っている。
忘れていた自分。
あの場所とそこにいる人たちが思い出させてくれた。
この自分も自分でその自分も自分。
全部をひっくるめて自分であるのだ。なんだか面白い。


時々大切な場所に帰って、こうしてあの自分やその自分を振り返り、自分の姿を見つめ直す。自分の可能性を広げたり、今に感謝できたりする。

そんな大切な時間を過ごせるのが私にとってのHOMEであり、
私にとっての夏なのかもしれない。

短かったけれど大切な時間、大切な夏でした。
Bluemoonのみなさま、短い時間でしたがお世話になりました。ありがとうございました。

リセット完了。また大阪で今をただただ私らしく生きていたいと思う。