20090816

Graduation


5月末から3ヶ月、ここAustraliaのSydneyで日本語教師になるための養成講座を受講していた。
これが、私の今回Australiaに来た目的だった。

あっという間に過ぎ去ったこの3ヶ月は、自分を知り、人を知り、そして日本語と日本語教師というものを知る貴重な日々だった。
今まで以上に自分を知ろう、自分を磨こうと日々考えた。
世界の中の日本を、日本語を考えた。
人との出会いに驚かされた。
人の愛に心打たれた。
泣いたり、笑ったり。真剣に本音で人と自分と向き合った。

いい学校だった。
日本語教師を、教育者を、人間を育てる学校だった。
一人ひとりに愛を持って接してくれる学校だった。

出会うべくしてこの学校に出会ったのだと、そう思った。

架け橋になりたい。
この思い一つでカナダに渡り、通訳の勉強をしたが、先が見えてこなくて…ふと頭に浮かんだのが日本語教師。

ずっと頭の片隅には、あった職種だった。でも、今だから、見えた、今だから、スッと火が灯ったのだろう。
教育に関心を持っていても、教師になりたいと思ったことがあっても、どこかで、自分と実際の教育現場が結びつかないでいた。自分というまだまだ未熟な人間に、教師が務まるのだろうか、学歴も、経験もない、変わり者であるのは気持ちだけの自分を社会は受け入れてくれるのだろうか。
どこかでずっとそんな気持ちを持ち続けていた自分だった。

でも、この学校で先生たちは、自分もやれる、自分も先生になれるのだと思わせてくれた。
常に対等に、本音でぶつかってきてくれた。厳しさの中にあったのは、愛だった。
一緒に泣いて、笑ってくれた。
まさか、この歳になってこんな先生に、こんな学校に出会うとは思わなかった。

3ヶ月一緒に乗り越えたチームのみんなは、私を受け入れて、支えてくれた。
一人ひとりが真面目で、素直で、やさしくて、情熱と強さを持つメンバーだった。
みんなに学び、みんながいつも元気をくれた。

この出会いに心から感謝している。

14日、卒業式を終え、今また新たなスタートラインに立った。
これから、日本語教師として生きていく。
架け橋となって、人と人を、国と国をつなげる人間として。
日本語だけではない、人とのふれあいを伝える者として、これから歩き始めたい。

卒業式、たくさんのことを私たちに教えてくれたこの学校に何かを残すためにチームで学校に贈ったものは、学校のテーマソング。タイトルは、「愛なんです。」
それは、先生の愛に気付いた私たちの思い。
その愛を私たちみんなが日本語教師として世界に継いでいけるように。願いを込めて。