2年が経った。
朝、起きていつもより早く家を出る。
目の前の海をしばらく眺めた。
あの日のいろんな思いがよみがえる。
いろんな人のいろんな思いが混ざり合う。
あの日から何が変わったのだろう。
変わった景色があって、変わらない景色がある。
変わった自分がいて、変わらない自分がいる。
昨日、仕事後の従業員エレベーターでの一コマ。
遠くからやってくる足音が聞こえ、エレベーターのドアを開いたまま待っていた。
一人の若い女の子が待っていたことに驚いた表情で入ってきた。
そして一言。
「優しい…」
と呟いた。
自分のことを優しいと言われ、
なんだか嬉しくて微笑む。
3.11直後、混乱の電車の中で、街中で、被災地で、人の優しさ、あたたかさに触れた。見知らぬ人同士が与え合える優しさ、あたたかさ。与え合う、分け合う喜び。
人はそれを忘れてはいけないのだと思う。
どんな物騒な世の中になっても、人に優しさを分け与え、優しさを感じることができる人間でいたい。
人は人で支えられているから。
今日は職場のショッピングセンターでそこにいる人たちと黙祷を捧げたい。
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