20080815

The Translator

一冊の本を読み終わった。
現在、内戦が続くSudan Darfurの実話。

人間の戦争ではないと思った。惨くて、残酷な市民への拷問、拉致、強姦、殺害。何十万人という人の大量虐殺。ルワンダで行われてたことがここでまた起きている。

この本から現地の人間の視点で、現地で国連、NGO団体の援助の動き、ジャーナリスト、レポーターたち、虐殺の調査をするエージェントまでもがこの戦争の真実をしっかりと世の中に知らせなくてはと命をかけて動いているという報道では見えてこない実情も見えた。
著者Daoudは自分の村を襲われた後、そういった海外からの人間に同行する通訳として働くが、Spyと思われ捕まり、長い拷問を受ける。最後に難民援助プログラムとして米国に渡るとして助けられるがそこにはたくさんのDaoudが通訳として働いた米国やEUの友人たちが訴え動いた結果でもあるだろう。
彼が生きているのは奇跡に近い。人を人と見づ、片っ端から民族浄化として殺していく人、市民軍。
本当に恐ろしい。
人間でなくなっている人間が地球にいていいのだろうか。 

一人の動きや信念が変えることができることは本当にある。
地球の裏側の戦争ではなくて、この世界の動きは私たち一人ひとりにつながる。
まずは、より多くの人がこの世界で今起こる戦争に関心を持つことだろう。

昨日は日本の63回目の終戦記念日。
日本にもあった戦争の事実、そのバックグラウンドを知ることはとても大切。
そこから今現在世界で起こっている戦争の見えかたも違ってくるかもしれない。

南オセチア自治州をめぐるロシアとグルジアの軍事衝突。ロシアの攻撃を受けるグルジア。 ロシアが軍事作戦を停止した後も、グルジア内かなりの領土が未だ、外国軍の占領下だという。空爆を受けてたくさんの被害者が出ている。これから更に米軍がグルジア内に基地つくるという話だが、紛争の原因となった南オセチア自治州やアブハジア自治共和国の地位問題は棚上げ。一体これはなんのための軍事衝突なのか。なんのために市民が嘆き悲しまなければならないのか、これ以上拡大しないでほしい。

今、オリンピックが行われている。大変盛り上がっていて結構だが、そのオリンピックも、世界中のことを考えるひとつの機会としてこれから何か在りかたを変えていってはいかがかと思う。

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