これは、Sydneyで、毎日学校から見ていた景色。
Sydney最後の日に、最後の授業をした。
最後の授業内容は「自動詞と他動詞」(
自動詞:ドア
が開きます。
他動詞:私
はドアを開け ます。)だった。これは、私がこの学校に採用してもらう際の模擬授業の内容だった。そんな偶然にも、どこか意味を感じながら、授業は始まった。英語にはない表現方法、難しい内容の上に読解問題をするという学習者にとっては、頭を悩ます授業だったかもしれないが、そう感じさせないようにおもしろおかしく授業をした。
JALCでの初めての授業は思うように行かず、型にはめるやり方を自分がしているようで、ちっとも楽しめなかった。今、自分のスタイルや、授業のスタイルが見えたのだろう。自然体で、楽しく授業をしたつもりだ。
それでもまだまだ課題はたくさんある。最後の授業でも反省や課題が見えた。
一生学びである。
日本で働いた経験があり、日本を食べ歩くのが大好きなキティさん。
日本の歴史に興味があり、坂本竜馬が好きなイアンさん。
Australia の高校で日本語を勉強してきたダンサーのクロイさん。
Australiaで私が最後に教えた3人。
3人の日本語学習に少しでも関わることができたことを光栄に思う。今度、日本で会える日が楽しみだ。
私は日本語教師を目標に約2年前Australiaに来た。
Sydneyで約1年。養成講座を経て、卒業後、その学校の日本語クラスで非常勤講師として働くチャンスを頂き、実際に日本語教師として歩みを進めることができた。
私が働いていた学校「JALC (Japanese Australia Language Center)」との出会いは1年を通して私の中で、運命と思えるまでのものとなった。
20代自分への様々な挑戦や、旅を続けて来た私はJALCにたどり
着いたのだと思えるのだ。この学校で、時に優しく、そして時に厳しく、人に本音でぶつかり合っている先生たちの姿を見ながら、本当の教育を考え、自分の在り方を考えた。
それまで、少し自分に自信が持てずにいた私、周りと上手に付き合うために自分を変えなければと思っていた自分、おびえていた自分を受け止めてくれて、そのままでいいんだよ。胸張れよ。自信を持てよ。と力強く励ましてくれた。そして何より、私は、その先生たちとの出会いと教師として教壇に立った経験によって自分自身が、その自分を受け入れることが出来た。
先生たちは、教育だけでなく私の人生の恩師であり、肩を抱き合える大切な友人や先輩のような存在でもある。
礼記にこんな言葉がある。
「君子の交わりは淡きこと水のごとし」
信義ある紳士というものは、親友に対してもさらさらした態度であり、そのくせ実が深い。手を取り肩を抱いて親しみもあらわさねば、弱点で引き合ってのめりこむような付き合いもない。
先生たちとは、本音で付き合ってこれたから。だから、この礼記の言葉のようなさらさらしているようでどっしりと深いつながりが持てたのかもしれない。
最後の日も先生たちとは、なんとも居心地が良い今までにはない良い別れだった。養成講座のチームのみんなも盛大にアーチをつくって送ってくれてありがとう!みんなにも励まされた!!最後は、養成講座からずっと支えてくれた友人に涙で見送られ、タクシーでSydneyに別れを告げた。
いろんな思い出があるSydney、学校、毎日通った場所にもう行かなくなった。不思議な気分だ。
これから自分にどんな旅が待っているのかまだわからない。
でも、今なぜか、焦りや不安もなく、このままの自分で胸を張って歩き出せそうな気がしている。
ありがとうJALC!!!ありがとう先生!!!! ありがとうSydneyで出会ったみなさん!!!
心から感謝!!!