20110530

映画「幸せの経済学」




先日鎌倉のSONG BE CAFEで「幸せの経済学」というドキュメンタリー映画の上映会に参加した。

「グローバリゼーション」という言葉に、みなさんはどんなことを思い浮かべるだろうか。
国際的な交流や、ボーダーレスな悪くないイメージも多いだろう。
日本の私たちの生活では、その波の中で無意識的に生きてしまっているような気がする。
この映画で、実際チベットのラダックの人たちの守るべき文化、人とのつながりが、幸せの価値観が、現実、グローバリゼーションによって変化した例が挙げられる。
世界のあちこちでこの「グローバリゼーション」の波が及ぼした影響というのは大きい。
大企業の大量生産→大量消費というサイクルを生み、その結果、自国の文化が失われ、国内産業がなくなり、失業する人が増える。
日本の商店街衰退なども、その一つなのかもしれない。
生産性や効率を追い求めることが良いこととは限らない。今、「グローバリゼーション」から「ローカリゼーション」への動きが広まりつつある。
私たちの本当の幸せ、豊かさとは何なのだろうか。という一つの大きな疑問を投げかけられる映画。
誰もに見てもらいたい映画だった。
私たち一人ひとりが気づくべき何かが問われていた。
大切なものは物質的なものや、お金ではないだろう。
人と人とのつながりがもたらす、本当の意味での深い喜びや、感動があってこそ豊かな人生があるのではないか。自分の中でいろんな思いが湧き上がる。


今回のイベントのもう一つの素晴らしいところは、映画の後のディスカッションだった。
これがまた良い時間だった。心に落とし込み、それを共感できる時間。
初めて会う人と、これからの日本のことや、幸せってなんだろうかと話ができることってなかなかない。3月11日以降のこんな混沌とした時だからこそ、こんな人とのつながりが嬉しく、力になる。

ディスカッションから出た意見をここで少し。
「あなたにとっての幸せって?本当の幸せのためにできることとは。」をテーマにあらゆることを語った。
・おじいちゃんの知恵を受け継ぐことができること。
・ものを持っているほど、不安感が募っていくのではないか。もっとシンプルに。
・ものを買わないNON BUY DAYを実行してみてもいい。
・孤独な人ほどお金が必要。友達をたくさん作って本当の幸せを。
・ここに住むことを選んだんだ。たくましく生きていこう。放射能に負けない体を作る。
・農業の大切さ、人とのかかわり合いの大切さ。ローカルで生きること。
・人間として生まれてきた意味とは?HEAD、HEART、HANDの3Hがある。これからは、HEARTとHANDをもっと使っていく時代。
・水も、電気も自分が生きていくために必要なものが一体どのように自分のところまで届いているのか知ること。そして感謝すること。

初めて会った人たちと、とても有意義な時間が持てた。
こういう人とのつながりや、意味のあることを初めて会った人とでも語り合えることは、人間との「つながり力」そして大きな学びにつながると思う。

是非!見てもらいたい作品。

【映画の解説】
監督のヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは、その解決の糸口として「グローバリゼーション」と対局にある「ローカリゼーション」を提案していきます。 地域の力を取り戻すローカリゼーションの促進が、切り離されてしまった人と人、人と自然とのつながりを取り戻し、地域社会の絆を強めていく、と語ります。 実際に世界では、「本当の豊かさ」を求め、持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニティの構築が世界的に広がりつつあります。この映画の中では、日本の 小川町での取り組みやキューバで起こったオイル・ピークについてのサステナブルソリューションについても取り上げています。 行き過ぎたグローバル経済から脱却し、持続可能で幸せな暮らしをどう作っていくべきなのか。そのヒントは日本の伝統文化の中にもあるのではないでしょうか。彼女はその気づきを我々に与えてくれるでしょう。(幸せの経済学Webサイトより。)

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