20110425

当たり前のような景色がなくなること。

生まれ育った町。小さな商店街。小さな頃から通る度に、挨拶して歩いた。
学校の行き帰り、挨拶すれば、商店街のみんなが「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と挨拶を返してくれる。
大人になってからも、何ら変わらずに挨拶してきた。お互い、細かい話はせずとも成長や変化を挨拶で感じてきた。
昨日、そんな商店街の中でもいつも笑顔で挨拶してくれていた一人、ふとん屋のおじさんが亡くなったと聞いて、父と通夜に出かけた。小さな商店街の端から端までたくさんの参列者。おじさんの笑顔の遺影を見て、涙が溢れた。

たとえ挨拶だけの仲でも、何十年交わしたつながりの中に、私は深い思い出を感じていた。

夕方の寂しげな商店街に参列中、たたずみ色んなことを想った。

当たり前のような景色がなくなること。当たり前のようにそこにいる人がいなくなること。 
ただ通り過ぎていく現実を傍観者のように眺めて生きていくことはしたくない。
変化していくことは自然な流れ。でも、私たちは人間だからこそ、そのひとつの変化に感情があり、悲しんだり、もがいたり、そしてそれが喜びに変わっていったりする。
それをしっかりとどんな形だっていい、とにかく実感しながら、その時、その時を生きていくことが大切なんじゃないか。がむしゃらだっていい、静かに感じていたっていい。
この変化をしっかり受け止めて生きていくこと。

今だからこそ。生きること。命の大切さを伝えていきたい。
こうして今震災から1ヶ月半が過ぎ、私たち、日本の中で、大きな変化が起ころうとしている今、3月11日に起こったことは決して忘れてはならないし、自然な流れとして流れていってはいけない動きがたくさんある。しっかりとそれぞれが考えて、見つめていくべき「現実」がある。
埼玉県新座市にある立教新座高校の校長先生が、学生に送ったメッセージだ。
地震で卒業式が中止になったために、校長先生はメッセージをホームページで送ったそうだ。
是非、読んでほしい。
言葉の一つひとつに心が熱くなり、なんとも言えず、涙が出た。
こんなに力強く、私たちに訴えかける先生の言葉が今、あるのか。
 http://niiza.rikkyo.ac.jp/news/2011/03/8549/

この先生の言うように、悲しみを希望に変える今を決して忘れてはならない。とそう思う。


「海を見つめ。大海に出よ。嵐にたけり狂っていても海に出よ。」

これからだ。

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